サットヴァな食事 プールナ食堂での食事作りとは

インドのお寺をコンセプトにしているプールナ食堂では、料理するということに対して、インドの伝統的な考えかた、作法を取り入れています。
料理は、神にささげられたものであることが重要とされていて、最初に神棚にお捧げするということを形式として行っています。インドの神様はピュアベジタリアンだと聞いたことがあります(五葷を使わないベジタリアン)。
捧げものはできる限り良い質のものを捧げます。そのために出来るだけ、サットヴァなエネルギーを高めておくことを意図しています。
サットヴァとは純質という意味を持ち、アーユルヴェーダやインド哲学では重要な概念になります。サットヴァなものをサトヴィックと表現することもあります。サットヴァなものを食べることはサットヴァなエネルギーを受け取ることに繋がります。

どのようなことがサットヴァな食事になるか、以下にプールナ食堂の取り組みをご紹介します。

〇 五葷抜きのベジタリアン

まず使わない食材があります。肉、魚介類など動物性のもの。きのこ。五葷と呼ばれる香りの強い刺激性の野菜(にんにく、たまねぎ、あさつき、にら、らっきょ等)。これらは、サットヴァではない質(暗質、激質)と言われています。
五葷を使わないベジタリアンのことをピュアべジタリアン、またはオリエンタルベジタリアンなどとも呼ばれます。
インドではベジタリアンでも乳製品はよしとする方が多いようです。
非暴力「アヒムサー」という価値感が伝統的にあり、ベジタリアンの食文化として表れています。乳牛たちも優しく接してもらえる時代になりますように…

〇 食材が新鮮であること

新鮮なもの、旬のもの、住んでる土地に近いものを使います。プールナ食堂では群馬県の【クリシュナの里 竹澤農園】さんからのお野菜をメインに使っています。インドで出会った農家さんです。

〇 料理をする前に沐浴をする

朝、頭から水を浴びて身を清めます。洗ってある清潔な衣服を着ます。

〇 料理をする日に動物性の食品を食べない(乳製品は可)

料理をする人がベジタリアンであることが理想とされますが、プールナ食堂では「料理する当日は食べてこないように」と調理場に入る方にお願いしています。
また、調理場に動物性のものを持ち込みません。健康志向の食べ物でも魚介の出汁や〇〇エキスなど、お菓子や、調味料など、さまざまな食品に使われているので注意してみてください。インドには動物性不使用の【緑の日の丸マーク】が定着しているので間違いにくいです(赤の日の丸は動物性使用マーク)。

〇 味見をしないこと

神棚に捧げるまで料理の味見をせず、さらに、自分のために匂いを吸い込みません。料理は嗅覚を楽しませ、視覚を楽しませ、触覚を楽しませ、味覚を楽しませるものです。それを、料理する者が先に味わってしまうことは、そのときの料理全てがアシュチ(不浄)なものになってしまうという考え方です。味見はせず、匂いは入ってくる分だけを受け取ります。匂いで完成度を判断したりしますが過剰には吸わないようにしています。
(味見しない分、時短にもなりますよ!)

〇 マントラを唱える

これは私はやっています。あるとき、マントラを唱えると水が美味しくなるって気が付きました。そのときだけだったのかもしれない。その後、検証してないのだけど。神の名とされるもの、または真言とかって純化させる力があるのだろうと思っています。
(意味を知ってからやることは出来ない。やってから意味や効果があらわれてくる。何かを習得するというのはそういうもののようです)

〇 神棚に捧げる

生命を支えてくれている目に見えないエネルギーの源、存在に敬意を表してお捧げします。
お捧げしたら、そのときの料理すべてが神からの波動を受けたありがたい食事になると捉えます。プラサーダと呼ばれます。

〇 作りたてのものであること

作ってから3時間以内というのがサットヴァのエネルギーを保つと言われます。プールナ食堂では当日料理したものだけを提供しています。

〇 生理中はお料理お休み

できればその方がいいかと思いますが、プールナ食堂では体調に困難が無ければ来てお手伝い頂くこともあります。無理をさせないように。(自分の身体にも、他人の身体にも)

まとめ

いかがだったでしょうか?

食材の新鮮さ以外のは、いまの日本からすると異文化ではないでしょうか。

日本の食文化は醤油、味噌、酒、発酵ものの料理がベースです。インドには麹の文化は無く、塩、油、植物の種、根、リーフなどのスパイスとハーブを多用する料理がベースです。特に植物で様々な香りを引き出すことはインド文化の右に出るものは無いでしょう。

心身にいい影響を与えるものについての食の文化、考え方も違って、こっちが正しいと強要するものではありませんが、インドのこのあり方、考え方をやってみています。やってみて、どんな影響が現れるかどうか…点検。

ちなみに、インド料理のすべてかこのようなあり方ではありません。インドでもこのような食事は稀ですが、お寺、祭事、アシュラムなど伝統の中に残っている大事な文化です。

このほかにも、動物性食品を扱ってないキッチン、鍋、皿が好ましいとされてたり、バナナリーフの皿が最上だったり、テーブルではなく床で、スプーンではなく手で食べる、移動中は食べないなど、受け取り方にも言及されるものがあります。空腹になってから食べるとか、怒ってるときは食べないとか。
「怒って料理しない」とかとも言われているし、「落ち着いて料理する」とか「丁寧に料理する」とか「料理に向き合う」とかマインドのありよう、さらには生き様が料理の質になっていくのだと思います。

その先に出会うもの、追求する先人たちを追って。
より、サットヴァな質をあらわせますように。

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